都内生花店で7年働いた元花屋が振り返る一年間で忙しかった時期・体験談【7選】

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お花が好きな人なら一度は花屋で働いてみたい!と思ったことがあるのではないでしょう?
でも、実際に働くとなったら色々と不安なことがありますよね。

色々とお花屋さんで働く上で心配なことはあると思いますが、この記事では一年の中でお花屋さんが忙しい時期について解説していきます。

私は7年間、都内の生花店で正社員として働いていました。
7年間働いていたので、毎年どの時期が忙しいのかを身をもって体験しています。
実際に働いていた経験を元にこの記事を書いています。

お花屋さんで働きたいと思っている人に一人でも多く、実際のお花屋さんを知ってもらえればと思います!

この記事を読んでもらえれば、お花屋さんの忙しい時期を知ってもらえます。
ぜひ、最後まで読んで見てください!

今回の記事を読んで、『お花屋さんで働きたいけど、不安…』ということがあればお気軽にコメントやお問い合わせから聞いてください!
あなたの不安・疑問を解消してみせます!

目次

お花屋さんの繁忙期

それでは、お花屋さんが忙しくなる時期について解説していきます。

  • 母の日
  • お盆
  • 10月1日
  • クリスマス
  • 年末年始
  • 選挙
  • スポーツの大会が開催されたとき

このあたりが毎年忙しいなーって思うタイミングですね。

順番にお話ししていきます。

母の日

1つ目は母の日。
お花屋さんの一番の稼ぎ時です。
これは、なんとなく予想がついた方も多いのではないでしょうか?

母の日は年間売上の何割かを稼ぎます!
それくらいみんなお花を買ってくれます。当然、ものすごく忙しいです。
お店によっても忙しさや作業のやり方は違いますが、お花屋さんであれば絶対に忙しい日でもあります。


母の日一週間前くらいからは基本的に従業員全員が休みはありません。
平均すると10連勤くらいが多かったです。

新入社員は4月から入って一ヶ月ほどでいきなり一番の忙しい時期が来てしまうので可哀想ですね…
ここで心が折れてしまう人も結構いるみたいですね。

母の日 数ヶ月前

母の日は毎年5月の第2日曜日です。母の日が忙しいというと当日や前日が忙しいと思われるかもしれませんね。 しかし、実際は数ヶ月前からやることがたくさんあります。

具体的な事前準備は下のようなものがあります。

  • 母の日商品のデザイン決定
  • 母の日商品のウェブ・チラシ用の写真撮影
  • 作り置きが出来る商品製作
  • 商品制作に必要な資材の発注

母の日 一ヶ月前

一ヶ月前くらいになると、お店の中や外のディスプレイを母の日仕様に変えていきます。
お店のディスプレイは商品につけるポップやお店の前に置いてあるホワイトボードを徐々に母の日に向けて変えていきます。


一ヶ月前くらいになってくると、店頭での母の日のお花についての問い合わせが増えて来ます。

母の日 一週間前

一週間前からが本当に忙しくなります。

1週間前だともう店頭に買いに来られる人もいますが、私の働いていたお店で一番多いのはネットからの注文品の製作です。

ネットからのアレンジメントの注文だけでも5000件程度ありました。
アレンジメントは生花で作られるので作り置きすることができません。
それらを全て直前に作るしかありません。

大体、一週間前くらいからアレンジメントを製作。
配送は母の日までに到着させないと行けないので『いつまでに出荷するために、いくつ作っておく』というのが決まっていました。
決まっていた目標の数がなかなか作れないと終電まで残業してみんなで急いで作るなんてことも毎年ありました。

この一週間前になると短期のアルバイトさんや派遣さんを頼んでいました。
配送のための箱を組み立ててもらったり、梱包から出荷までのお花に詳しくなくても出来ることがメインです!

アレンジメント以外に鉢物やプリザーブドフラワーなどの商品も売れるのでネットからの注文全部だと1万件を超える注文だったと思います。これらを全て製作から梱包・配送までします。

母の日 前日・当日

母の日期間の中でも特に忙しいのは前日と当日。
母の日が日曜日なので、土日で買い物のついでに買いに来る人が多いです。
やっぱり渡すなら当日か前日がいいという人が多いですね。

前日・当日の作業としては、とにかく来店するお客様の対応です。
お店が商業施設内にある場合は、この二日間だけお店だけではなく催事場といって商業施設内の一角に臨時の販売場を作らせてもらえるお店もあります。

よくあるのは商業施設の一階の真ん中の方のエスカレーター前の広くなっているところや入口付近の目立つところが多いです。

母の日 当日閉店後

営業終了時間が来ても、まだ母の日は終わりません!

閉店してからやることがあるからです。
閉店してからやらないといけないのは下の作業です。

  • 催事場の片付け・撤収
  • レジの売上精算
  • お店のディスプレイを母の日用から通常用に変更
  • お店の片付け

母の日の作業が終わってもこれだけの作業を終わらせないと帰れないのです。

お盆

母の日後に忙しくなるのはお盆です。
お盆は毎年8月13日~16日と決まっています。
この時期にお墓参りに行く人が増えるので仏花がよく売れます。

この時期はお墓参りに行く人が一気に増えるので、菊系の仏花が売れます。
そのため、大量の菊やリンドウ、ユリを仕入れてお墓参り用の仏花を用意します。
仏花は基本的に同じお花をお墓の左右に対で飾るので、同じものをどんどん作っていきます。

お盆に忙しいかどうかは、お店の立地次第かなと思います。
近くに大きいお墓があれば、それだけ多くの人が来るので忙しくなります。
逆に都心のお花屋さんだとお花がなかなかないので、そこまでは売れないと思います。

私の働いていたお店はビジネス街にあってお墓も近くになかったので、大きい霊園の最寄り駅に特設会場を開いてそこで仏花を売っていました。


霊園に電車でお墓参りに来た人たちがよく買ってくれました。
毎年、そこでお花を売っていたので割りと買ってくれる方が多かったです。

そこそこ忙しいなっていうくらいの忙しさですね。

4月1日・10月1日

4月1日は新年度が始まる日で、10月1日は多くの会社が上半期から下半期へと変わる日です。

新年度や下半期に変わるタイミングで多くの会社の人事異動が起こります。
人事異動で役職が変わると、お付き合いのある会社へお祝いのお花を贈ります。

お店がビジネス街にあるとたくさんの会社からの注文が来るので大忙しです。
そしてほとんどの場合、午前中に届けてほしいという指定なので当日は朝早くから配達にひた走ります。

届けるものは8割、胡蝶蘭です。
残りの2割はアレンジメントや観葉植物ですね。

こちらも胡蝶蘭は事前に全てラッピングしておき、アレンジメントを前日に手分けして作っていました。

数としては一日で60~70件程度だったと思います。

入社式

4月1日は新年度ということで入社式もあります。
入社式には会場の前の偉い方が話される演台という台があります。
その台の横に『演台装花』として豪華なツボに活けたお花を飾る会社が多いです。

それも入社式が始まるまでに納品しなければいけないので、朝早くから出勤して配達に回ります。

クリスマス

クリスマスも忙しい時期になります。

すい

個人的に一番忙しくて嫌いな時期でした(笑)


クリスマスの時期としてはハロウインが終わった11月1日からクリスマス仕様に切り替えていくお店が多いです。

クリスマス時期によく売れるものはいくつかあります。

  • プレゼント用の花束・アレンジメント
  • クリスマスリース
  • クリスマス関係の雑貨

この時期はクリスマスカラーの赤いお花がよく売れます。
赤バラは特に人気です!

大体、11月からクリスマス当日にかけて色々と売れていくといった感じですね。
雑貨やリースはクリスマス間際になると、飾れる期間が短くなるので一ヶ月前くらいが一番良く売れます。

プレゼント用の花束・アレンジメントはクリスマスイブと当日によく売れますね。

クリスマス装飾

お花屋さんによっては装飾の仕事をしているところもあります。
一般の人だと『装飾の仕事って?』という風になるかもしれませんね。

具体的にクリスマスの装飾の仕事でいうと下のようなものがありました。

クリスマス装飾の例
  • 商業施設内のクリスマス仕様への変更
  • お店やマンションへクリスマスツリーの設置
  • お店のショーウインド内の飾りつけ
  • クリスマスの電飾・LED装飾

他にも細かくはありますが、おおよそこんな内容が多かったです。

すい

イメージとしてはイオンなどへ大きなツリーを設置したりといった感じ

クリスマス装飾の仕事は11月1日~12月上旬が一番多くなってきます。


この時期は毎日通常の業務以外にクリスマスの装飾の準備を並行して進めていきます。
クリスマスツリーは事前に組み立ててオーナメントも飾り付けて、そのまま納品します。

お店・商業施設のクリスマス装飾の場合

お店や商業施設内に装飾をする場合、営業中は一般のお客様がいるので基本的に作業ができません。
『じゃあ、いつするの?』となりますが、閉店後に作業をします!

そのため、閉店時間が仮に22時だった場合は、そこからお客様が全て退店されてからの作業になります。その時間からの作業なので大掛かりな装飾の仕事だと深夜の3時まで作業なんてことも多々ありました。

深夜だと電車も動いていないので、近くのビジネスホテルを事前に予約しておいて泊まっていました。次の日は休みの場合もありましたし、お昼から仕事の場合もありました。

クリスマス装飾の撤去

クリスマス装飾の設置も大変ですが、一ヶ月間くらいかけてやるのでまだ時間的には楽です。

問題なのはクリスマス装飾の撤去です。
撤去は設置とは違い、25日が終わったらすぐに片付けないとおかしな事になってしまいます。
そのため、25日にお店や商業施設が閉店したら全て朝までに撤去します!

自分の担当が一箇所の場合もありますし、複数ある場合は深夜までかかってしまいます。

年末年始

年末年始もお花屋さんは忙しいです!
期間としては、クリスマス後~1月中旬くらいまでは忙しいです。

この期間の具体的な仕事内容としては下のようなものがあります。

  • クリスマス装飾からお正月装飾への変更
  • お花の入荷作業
  • 新年のお花の製作・配達

一般のお客様が新年のお花を買いに来ることもあるのですが、そこまでは多くないかなと思います。

年末

クリスマスが終わると一気にお正月モードへと変わっていくので、お店や商業施設をクリスマスの飾り付けからお正月の飾り付けに変えていきます。

クリスマスに比べるとお正月は期間が短いので力を入れている企業は少なくなります。なので、単純にクリスマスの撤去だけでお正月は特に何もしないといった場合もあります。

年末で忙しいのは、お花の入荷作業がとても大変です。
年末年始は、お花を仕入れるための市場が閉まってしまいます。
そのため、年始に使う分の大量のお花を入荷しておく必要があります。

すい

お店の中がパンパンになるくらいの量のお花が入荷されます。

お花を入荷したら『水揚げ』という作業をしなくてはいけません。
水揚げはお花が水を吸い上げやすくするためにする処理のことです。
水揚げは、お花屋さんで働いていると通常業務ですが、お店の中がパンパンになるくらいの量のお花を入荷するので量がとんでもありません。
全てのお花を水揚げするのは本当に一日がかりになってしまいます。

年始

年始は新年ということ、お花を飾る会社が多くなります。多くの会社は3日から仕事始めの会社が多いので、3日の始業前までにお花を配達します。

配達するお花は年末に大量に仕入れたお花を使って新年のお花を作ります。
作るお花の殆どは、アレンジメントとツボ活けでした。

年始に納品したお花は基本的に一週間程度飾ります。
翌週の月曜日には貸出のツボや不要になったお花を回収に回ります。
数が多く、一週間も経っているとお花も傷んでいるので大変です。

クリスマスから年末年始は、ほとんど続けて忙しいので大変です。
年末年始のお休みは、働くお店によって違うので最初に確認したほうがいいです!

選挙

選挙があった後も忙しいタイミングになります。
他の忙しい時期とは違い、毎年ある訳ではないです。

選挙後は当選された議員さんへのお祝いの胡蝶蘭が大量に注文されます。
私が働いていたのは都内の国会議事堂が近い場所だったので、注文も多かったのもあると思います。

胡蝶蘭はアレンジメントや花束とは違い、作ることはありません。
基本的には入荷してラッピングをしてそのまま配達します。
ただ、選挙のときは100鉢以上の胡蝶蘭の注文が入るのでそれら全てのラッピングをするのはとても大変です。

胡蝶蘭の配達は車に載せて配達する訳ですが、一回に載せる胡蝶蘭の数もそこまで多くありません。そのため、一日に何往復もして配達をします。

選挙があるときは数日間ずっと胡蝶蘭をラッピングしては配達するのループになります。

スポーツの大会が開催されたとき

スポーツの大会があったときも忙しくなりやすいです。
具体的なスポーツの大会というと以下のようなものがあります。

  • オリンピック・パラリンピック
  • 各種目の世界大会
  • 各種目の日本大会

このあたりの大会があって選手が優勝や金メダルを取るとお祝いのお花が注文されます。
選手宛にというのもありますが、選手にはスポンサー企業が付いています。
そのスポンサーと交流のある会社が、そのスポンサーに対してお祝いのお花を贈ることもあります。

特にオリンピックは複数の競技が同時に行われて、連日メダルを獲得すると忙しくなります。

まとめ

  • 母の日
  • お盆
  • 10月1日
  • クリスマス
  • 年末年始
  • 選挙
  • スポーツの大会が開催されたとき

お花屋さんの忙しい時期7選でした。
お花を買うタイミングってプレゼントやお祝いで購入することが多いですよね。
そうすると、何かのイベントに重なりやすく忙しい時期ができてしまいます。

実際にその時期がどのくらい忙しいのかは、各店舗で違うので働きたいお店や働いているお店に確認するのが一番確実ですね。

ここまで読んでくださってありがとうございます!
他に何か疑問や不安なことがあればTwitterもやっていますのでお気軽に質問ください!

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この記事を書いた人

大学卒業後に花の専門学校に行き、都内の生花店で勤務!
現在は、花業界から離れて仕事をしています。
転職してからも観葉植物や多肉植物を育てています。

花屋で学んだ経験と知識を多くの人に共有していきたいと思ったのでブログで発信しています!

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